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2021年9月25日放送分「自殺予防共創ラボ」

放送日:2021年9月25日(土)

パーソナリティ
一文字 弥太郎さん

アシスタント
岡 佳奈さん

レスコ出演者
代表取締役 藤川 佳應

radio theme
自殺予防共創ラボ
自殺予防共創ラボとは

分かりやすく言えば、ネット上で自殺予防のアイデアを募っていこうという事ですか?

その通りです。発起人は一般企業にお勤めの25歳の青年です。その方は、身近な大切な方が自殺を図ろうとした事を止めた経験をお持ちで、何か自分に出来る事があるのでは考えて、クラウドファンディングを使って「自殺予防共創ラボ」というコミュニティを作られたんです。
参考自殺予防共創ラボ

「自殺予防共創ラボ」というのはどういう事ですか?

新型コロナウイルスの流行を踏まえて、改めて自殺という問題が注目せざるを得ない状況の中で、 NPO法人に依存しがちな自殺予防について、「今の時代に合った自殺防止の取り組みが何かあるのではないか」、そういうアイデアを自殺防止問題に興味を持つ方や、専門家の方々が、ネット上に集まって、自由闊達に意見交換をしていこうという取り組みですね。

そのラボを25歳の若者がクラウドファンディングを利用してネット上に作ったという事ですか。すごいですね!
レスコさんも共感して支援したのですか?

大変共感しまして。「こんな若者がいるんだ!」と思い、お会いして熱い会話をして、本当にビリビリいろいろ刺激を頂きました。「私たちも何か出来る事があるのでは」という事で、協力させて頂いています。

今またコロナで自殺が増えていると聞くのですが、日本の自殺の現状というのはどうなんですか?

自殺者数は1997年ぐらいまでだいたい2万人ぐらいで推移していたんですが、なんと2003年には3万4000人を超えまして、その時に自殺というものが日本における社会問題となりました。国をあげていろいろな防止対策をとって、やっと2011年には15年ぶりに3万人を下回って、2019年コロナ前には2万ちょっとぐらいまで減らす事が出来たのですが、これが2020年のコロナパンデミックで、2万1000人を超えてまた増加傾向に入ってしまったという状況なんですよね。
もともと日本の自殺死亡率って先進主要国の中では突出して高くて、10代から30代の死因の主なところに自殺が入ってくるという事なんですね。
参考警察庁の自殺統計に基づく自殺者数の推移等 – 厚生労働省

10代と聞くと胸が痛いですよね。

私の息子も17歳ですけど、そういう年齢のお子さんたちが自死を選ぶというのは本当につらいですね。

民間でも自殺予防に関する取り組みはたくさんあると思うんですけど、レスコさんが自殺予防に関して取り組むきっかけとなった事は何かあるんですか?

ディアパートナーズで、東京都内で自殺予防・防止の取り組みをしておられるNPO法人OVA代表の伊藤さんに取材をさせて頂いたのですが、ネットのリスティング広告の機能を使って、たとえば「死にたい」という言葉を検索キーワードとして入れると、そこから相談の窓口に導線を張って導いていくような事をやっておられるんです。
参考ディアパートナーズ:NPO法人 OVA(オーヴァ)代表理事 伊藤次郎さん

それは地道な作業ですね。

いわゆるチャットコミュニケーションで自殺防止を支援していくという事で、本当にテキストだけのコミュニケーションなので、一文書き間違えてもその方のお気持ちをもっと苦しい状態にしてしまいかねないリスクもあり、本当に心を削っているとおっしゃっていましたね。

SNSで自分のつらい気持ちを吐き出す人も増えていますからね。

この間、株式会社Linyという会社の代表の方にお会いしたのですが、臨床心理士の方々がLINEを使って、自殺も含めたいろいろな相談を受けるような事を事業にしておられる会社もあるそうです。そういう方々も自殺予防共創ラボに参加されているという事なので、本当に私たちも勉強になりますね。

いろいろなアイデアを出し合い実践する場所

この自殺予防共創ラボというのは、いろいろな人がアイデアを出し合って、それを実践していく場になっているわけですか。

そうなんです。企業のみならず、いろいろな経験の中で自殺防止に興味のある個人、お一人お一人が参加して、いろいろなアイデアを出していく場所ですね。この間参加しましたが、オンライン勉強会もございまして、統合失調症という精神疾患をお持ちの方で、小学校から自殺を考えた事があるというご自身の経験を1時間ぐらい語って頂く場所があって、本当に勉強になりました。

そういうお気持ちを持ってしまった方が、相談というだけじゃなくて、どういう風に自分の気持ちが変化していったか、自分の経験を話せる場は意外とありそうでないですものね。

しかし25歳の若者がクラウドファンディングでお金をなんとか集めて、自殺予防共創ラボを作ろうという、その25歳をまず尊敬しますね。

本当にそうですね。よく私ぐらいの年齢以上の人は「最近の若い者は…」とか言うのですが、本当に若い方に学ばせて頂きました。

レスコはこれからどんな風に関わっていこうと思っていらっしゃいますか?

ひきこもりポータルサイトなど、いろいろな事に取り組ませて頂いていますが、私たちの持つICT技術をご提供出来る場所は、まだまだあると思うんですね。
まず相談をするというこの第一歩をどうやって踏み出してもらえるのか、以前「受援力」という言葉もご紹介させて頂いた事がありますが、その「受援力」を促せるようなICT技術の利活用というのはもっとないものか、この共創ラボの皆さんとともにディスカッションしながら見つけていきたいと思っています。