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2021年6月26日放送分「科学的介護情報システムLIFE」

放送日:2021年6月26日(土)

パーソナリティ
一文字 弥太郎さん

アシスタント
岡 佳奈さん

レスコ出演者
代表取締役 藤川 佳應

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科学的介護情報システムLIFE
科学的介護情報システムLIFEとは

ホームページを見ても難しくてよく分からなかったのですが、これはどういうことですか。

簡単に言うとデータを使って介護サービスの品質をもっとアップしていこうという取り組みです。今医療はデータに基づく科学的な医療に取り組んでいて、DPC(診断群分類)って皆さんあまり耳にしないと思うんですけど、例えば、一般科病院は「この疾患の場合こういう医療サービスが必要だ」という体系化がデータに基づいてされています。
参考科学的介護 – 厚生労働省

普通の病気にも、データがあるわけですか。

例えば、癌という事になると、こういう治療が効果があって、大体入院日数がこれくらいというデータがあるんですね。それに基づいて、実は皆さんの一日当たりの入院料が決まっていたりするわけですけど、介護はそうなっていませんでした。

介護はデータ集めるの大変ですよね。

やっぱりデータをとるためにはシステムを入れたりとか、介護事業所自体のICT化という問題もありますね。

あと、ご自身とかご家族じゃない方が介護されている事もあるから、申請とか難しそう。

国も介護の分野も科学的にデータを集めて、より良い介護をしていこうという事ですか?

そういうことです。今年(2021年)の春から介護報酬の改正があって、データを提供してもらえる事業所さんには、介護報酬上のインセンティブ(加算)が付くようになりました。

どんなデータを提供するのですか。

当然、個人情報という事ではなく、大体何歳の要介護度これくらいの方々に、こういうサービスを提供するという、具体的な介護内容です。

今までは、そういうのはあまりなかったのですか?

LIFE以前は、各事業所さんが介護報酬を請求するときに、電子請求しているデータはあったんですけど、それは結局、介護サービスを行った情報、それも値段の付いている項目情報を送っているだけなので、それだけではなくて、先ほど言ったような何歳の方にどんな介護サービスを提供しているかという情報を、今回集め始めるということですね。

今後の展望

やっと始まったって感じではないですか?もっと前からあっても良かったような。

そうですね。なかなか電子化が進まないので。

例えば、何歳で介護度がこのくらいだったら、この人はこんな介護が必要だというデータが集まっていけば。

厚生労働省の資料に載っていたのですが、例えば、80歳の要介護度3の男性は、大体1時間のリハビリテーションを週に3回やっていましたが、どうも歩数が増えないし運動量が増えてこない。リハビリの効果が今ひとつ出ないという時に、データによって、栄養摂取量が少なく体重(BMI)も低めという事が分かって。いくらリハビリをやっても、食べるものをしっかり食べれていない事が見えてきた時に、リハビリの量を増やすのではなくて、しっかり食べる事を意識すると、少し体重も増えてリハビリの効果が出てきた。
そういうデータをちゃんと介護現場にフィードバックしてくれるんですよ。

そういうのって付き添いの介護士さんが、その方の傾向をしばらく見て、やっとデータが取れるものじゃないですか。でもきっと似たケースはあるから、当てはまるものがあれば、リハビリの期間が短くて済みますよね。

利用者の方々高齢者の方々お一人お一人のデータもそうですが、例えば、ある介護施設でオムツの使用量を減らせないのかという事を検討する際に、他の介護施設の全国平均と比べて、ここを取り組んでみたら、もっとオムツの使用量を減らせるのではないかとかですね。オムツの量が減らせるということは、自分でちゃんとトイレに行けるということですから。そういう事に使えるということですね。

逆に言えば、今までは事業所ごとに自分たちで考えていたから、苦労も多かったでしょうね。

介護でも医療でも、実は私たちの経営もそうなんですけど「自分たちがなぜ結果が出せないか」という課題は結構難しいですよね。

そういう時に、他のデータがあったり参考にできるものがあれば。

よくKKD、「経験」と「勘」と「度胸」でやっているなんて事はよく言いますけど。

うまいからメモしておこう、KKD。度胸も大事だけどね。
データを集めてどのように活用していくのですか。

Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善) じゃないですけど、少しづつデータを集めて、時間をかけてスパイラルアップをしていき、介護の質を地道に上げていく取り組みですかね。それと私の母も介護コンサルタントをやっていましたから、介護スタッフの皆さんの毎日のお仕事は大変な事だと思いますが、例えばデータによって「ここはもっと効率化できるよ」とか「ここにロボットを使う」とかですね。

これからそういう事になってくるかもしれないですね。
課題や不安はありますか?

今のところは、たくさんのデータをどう集めていくかという事だと思うんですよね。そのときに、先程ICT化のお話をしたのですが、ICTが入っていない介護事業所がデータを出そうとすると、毎日記録を書いて、それをデータ化するためにコンピュータに入力するという作業が生まれますから。
介護事業所の皆さんの負担でしかなくなってしまうので、どのように身近にICTを導入できるかというのが課題でしょうね。

導入すると全国的な規模でデータを集めやすくなるという事ですね。

ICT化の遅れというのが、コロナパンデミックで気づかされたりしていますよね。今後人口が減っていく中で、助け合ってデータをどう使うかが大事だと思いますね。