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2020年10月24日放送分「次世代医療基盤法」

放送日:2020年10月24日(土)

パーソナリティ
一文字 弥太郎さん

アシスタント
岡 佳奈さん

レスコ出演者
代表取締役 藤川 佳應

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次世代医療基盤法
「次世代医療基盤法」とは、どういう法律なのか

簡単に言うと、医療情報を医療の研究のために使いましょうという事ですね。
参考内閣府「次世代医療基盤法とは」

今まで使えなかったのですか?

使えていたんですけど、もっと使いやすくなりました。

どういう事ですか?

医療情報っていうのは個人情報保護法における要配慮個人情報なんですね。これを医療の質の向上のために使いやすくしていこうという事で、曖昧だった部分を法制度で組み立てていって安心して皆さんが使えるようにしましょうという法律となっております。

皆さんというのはつまり医者が?

そうですね。当然、情報を利用することによって利益を得られるのは我々国民一人一人なんですけど。自分たちの医療情報を提供してそれを医療の発展のために使ってもらってそのことによる利点を得ていこうという事ですね。

例えば、一文字株式会社が新薬を作ろうとした時に情報をくださいと言えば使えるわけですか?

使えます、今度から。

例えば、私たちが患者として病院にかかる時に、個人情報保護法についてチェックする欄とかあるじゃないですか。あのチェックが、それに当たるのですか?

法制度から言うと、医療機関が皆さんの医療情報を使うという事を目的とした場合は、初診で行った時に、患者さんに通知をしなければいけない事になっています。

ということは、2018年にこの法律が施工されているので、通知されている方は日本中に何人かいらっしゃるということですか?

いるはずです。ホームページにも通知している医療機関ってありますね。

ちょっと言い方が分からないのですが、医療機関がこの病気はとってもデータが必要だと。その場合は患者さんの診療データをくださいという事になるのですか?

その同意は絶対取ることになっています。問題は一個だけあって、この次世代医療基盤法の大前提は、例えば一文字さんが通院されて、その時に発生した医療情報を一文字さんのデータじゃないという形に匿名化することが条件だったのです。

そこは守られるわけですね。

医療情報の扱い方について

医療情報はその後どうなっていくんですか。

次世代医療基盤法の特徴的な所は、匿名加工するわけですね。この匿名加工のできる事業者が認定制になりました。

この会社は匿名加工できると認定しますよと。加工する側も認めてもらわないといけないわけですね。

そうですね。加工する側も申請しなければいけないですね。後は、きちんと利用目的は明確にしなければいけないにしても基本的には使えます。

ちゃんと匿名にしてくれるのですか?

という事になるので、内閣府とか厚労省とか文科省もそうですね、あと経済産業省ですね。そういった各省庁のOK、あなたの会社は情報セキュリティに問題もないし匿名加工の技術も確かですね、という認定が必要になります。

そこに匿名加工の情報が集まります。それを?

例えば、一文字製薬がこれを使いたいと言うと使う事が出来るようになります。

いわゆるビッグデータみたいにしていくという事ですか。

まさにおっしゃる通り、ビッグデータです。例えば、大量の医療情報を集める事によって、それを分析・解析してより多く効果のある、願わくばあまりたくさんのお金をかけずして効果の得られる医療の形を作るとか、複数の科に通院した場合「a」という疾患を持っていてかつ「b」という疾患を持っている人たちにはどういう医療を提供すれば一番効果があるか?などの研究が進むのではないでしょうか。

今までだったら自分でデータを集める所からしなければいけなかった事が、匿名認定企業があってデータが匿名化されているのを購入し、自分の研究に役立てて新しい医療の形をそこで作って社会や患者さんに還元していくという事ですね。

一番、最近特徴的なのは、読影(放射線画像)、あれは全部デジタル化されているんですけど、あれを大量にAIに食べさせていくと、例えばがんが発見しやすくなったりとか。

今まで病院で蛍光灯みたいなものに映していましたよね。

「AIに食べさせる」って表現がすごい!ぴったりだなって思っちゃった。

データは作物って我々はよく言うのですけど。

かっこいい。つまり、肺がんや肺炎などの場合、今までだったらレントゲンを読み取るのがうまい名医みたいな方がいらっしゃるじゃないですか。それが、これからはAIで?

がんの患者さん達の放射線画像も、AIが何枚も何枚も食べると、すごい精度で発見してくれるんですね。

そういう事をするためにも次世代医療基盤法は、患者の情報を匿名化するという事が大事なので、この法律ができたという事ですね。

法律になったという事は、危険性があるのでは?

そうですね。例えば先ほど認定事業者の話をしましたが、法律がないと匿名加工の技術力を第三者が評価できる制度が無く、どこに匿名加工されるかとっても心配ですよね。

そうしないと、悪い事やられたら怖いですよね。

「次世代医療基盤法」で日本はどう変わっていくのか?

藤川社長。日本の医療は、この日本の法律ができた事で大きく変わりますか?

そうですね。今まで見つけられなかった事が、データというものを使うことによって見つけられるという事ですから、当然この国の医療の発展にはすごく大きな意味があると思います。特にこれは医療のみならずですが、資源の無い国における唯一の資源がデータだという風にも言われる事があって、今のデジタル庁が出来たり改革が進められようとしてますが、これによって医療のみならず皆さんの行政サービスにおいてもデータが使われるようになると思います。

私たちのデータが?どういう行政サービスで?

はい。例えば、それこそ私たちが今アプローチしてる所だと児童虐待というテーマ、なるべくデータを使って児童虐待が起きないための防止ですね。そのための取り組みが行政として出来るのではないか、確か広島県もそういう取り組みをしようとしているはずですね。

今までの児童虐待のデータを集めていったら、何か見える真実があって、そこで予防をしていくと。

先日、いじめ問題が61万件というニュースがありましたが、いじめが原因のお子さん達の自殺という問題もあって、そこもやはりデータを取って、何がお子さん達の悲しい自殺という問題に繋がってるのか、という事を分析していく事も大事です。データがとても大事になってきますね。

だから、それを扱う所をちゃんとしていこうというのが次世代医療基盤法なんですね。

やはり、怖いですから。使われるということは怖いだけに、しっかりとしたルールの中で我々一人一人の生活がもっと良くなるためにはデータをどう使うか、という事を考えなければいけない時代という事ですね。