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2020年7月25日放送分「受援力」

放送日:2020年7月25日(土)

パーソナリティ
一文字 弥太郎さん

アシスタント
岡 佳奈さん

レスコ出演者
代表取締役 藤川 佳應

radio theme
受援力
受援力とは

これ「ジュエンリョク」という読み方で良いんですよね?
「支援を受ける力」と思ったら良いですか?

私もつい最近この言葉を聞きまして、なかなかセンセーショナルで印象的でしたのでキーワードにしました。

昔からあったのですか?

調べてみたのですが、内閣府が2010年に神戸の震災を受けて、災害が起きた場合に地域側が円滑にボランティアの支援を受けられる準備、そのための環境整備をしていこうという事で、パンフレットの中で使われた言葉ですね。
参考内閣府防災情報「受援力ノススメ」

今まさに災害の問題もありますが、家庭であったり社会であったり、学校や会社にも受援力が必要ですよね。

はい。このコーナーでもいろいろとお話をしたように、家族、家庭が抱える問題はどんどん複雑化していって、自分だけの力でなんとかしたいと思っていても、なかなか解決する事が難しく、やはり誰かの助けを借りる力が必要だという事で、この受援力という言葉は非常に印象的でした。

藤川社長が接している精神科医療の現場でもそういう事は感じますか?

そうですね。最近は精神科病院様に留まらず、引きこもりを支援しておられる方々とか、いろんな方とお話をする中で、誰かに「助けて」と言う事自体が非常に難しく、恥ずかしい、申し訳ないと考えてしまうため、実際に助けを必要としておられる方自身の心のハードルを越えていく事はとても難しいという話はよく聞きます。

私もこの言葉を聞いていろいろ思ったのですが、やはり私たちは、「物を盗むな」「嘘をつくな」その次の3つ目に必ず、「人様に迷惑をかけるな」と言われてきていませんでした?
そういうのが脈々と根付いていて、「助けを求める=人に迷惑をかける」みたいなイメージがありますよね。

本当にそうですよね。災害や家庭の問題に留まらず、私たちの毎日の仕事とかでも、誰かに助けを求める事は、よく考えたらとても難しい事だなと思ったりしますね。

受援力をつけるにはどうしたら良いですかね?

相手を承認していく事だったり、尊敬する、そういう気持ちが無いとなかなか人に頼る事ができないので、まずはそこからだと思います。
人に何かをお願いすると、よく「すみません」と言ってしまうのですが、まずは「ありがとう」を基本に人間関係を作っていく事が大事だと、「受援力ノススメ」というパンフレットに書いてありますね。

自分が誰かを頼るばかりでなくて、尊敬できる関係をまず築かないといけないという事ですか?

そうですね。やはり人間との絆作りをしていくためのコミュニケーション力がすごく大事だと「受援力ノススメ」には書いてあって、細かくそこを見て頂くと意外と自分自身ができていない事を振り返させられたりしますね。

特に家族の間でもなかなか受援力って発揮できないですよね。
たとえば、お父さんが助けを求めるというのもなかなか難しいですよね。

難しいですよね。実際奥さんに毎日助けられていますけどね。

逆に近すぎると「助けて」と言えないというか、離れた人だから相談して聞いてもらう事もあったりしますよね。

この「受援力ノススメ」の中に、何かをお願いをするときに、「まず何をして欲しいかを最初に言う」と書いてあるのですが、助けを求める周辺の問題について先に口にしてしまう、たとえば電車に乗るのに「足が不自由だからこれをお手伝いして欲しい」のではなくて、「申し訳ないのですが電車に乗るのを助けてください」という事を先に伝える事も大事だと書いてあります。
最初にお願いする事を相手に伝える、そしてすぐ後に「ありがとう」だとか感謝の言葉をつける事が必要だと書いてあったので、早速家の中でやっていますが、意外と良いのではないかと思います。

受援力を醸成する社会

今週も虐待の事があったりとか、自死のニュースがあったりとか、そういう事を思うたびに、世の中全体が受援力を醸成するような社会であったら全然違うでしょうね。

1人で問題を抱えてどんどん孤立化していき、生きづらくなった結果として、それが引きこもりという問題になったり、または本当に悲しい事ですが、自分のお子さんを虐待してしまったり。もしかしたら精神疾患という病気として発症したりという、生きづらさが大きな原因になっている事は、私たちも仕事をしていてよく教えられる事なので。まずは孤立しない事がとても大事だと思いますね。

「頑張れ」も大事ですが、助けを求めても良いというのも子どもに伝えていきたいですね。

本当そうですね。意外と「頑張れ」と言われる事は、ちょっと難しい言葉かなと最近よく思います。

いろんなものをかき消してしまう感じがありますよね。

「頑張れ」という言葉でね。

この「受援力ノススメ」読んでいて、その中の「”助けたくなる人”になる10の法則」に、「笑顔で頼む」とかありますが、 申し訳なさそうに頼むと自分も辛いんですよね。

頼まれた方もね。

意外と人って誰かから頼られると嬉しいですよね。

受援力、みんな覚えておいてください。

「受援力ノススメ」見てみてください。

そうですね。「誰かの助けたい気持ちを引き出す力」が受援力だと書いてありますので。